東日本大震災で壊滅的な被害を受けた山田町。
この町唯一の高校・山田高校は、
ボート部の名門として知られています。
津波により、部活動で使っていた道具はほとんど失われ、
艇庫などの施設も同様に失いました。
今年のボート部の3年生たちは、被災直後に入学してきた生徒たち。
震災の影響をまともに受け、厳しい環境での練習を強いられてきました。
本物のボートを漕げるのは、週末の土日のみという状況。
それも、内陸の田瀬湖や御所湖でのもの。移動時間だけで2時間以上もかかってしまいます。
そういう逆境にありながら、
3月の高校選抜ボート大会では、山根慶大(3年)が
岩手県勢初の優勝を遂げました。
4月には、念願の新しい艇庫が完成。
3年生部員たちは、こんなに近くにありながら、
出ることができなかった山田湾へ初めてボートを降ろしました。
(写真左/完成したばかりの新しい艇庫 写真右/山田湾に漕ぎ出す選手たち)
逆境に耐えた選手たち、そして、その背中を一番近くで見ていた後輩たち。
彼らは山田高校ボート部の新しい歴史を作っていきます。